ゲスストーリーテラー寺門 ある企業のオフィス。
若い正社員の健太（仮名）は、パート社員の美香（仮名）と仲が良く、毎日のように冗談を言い合っていた。
美香は中年女性だが、明るくておしゃべり好き。
健太は彼女のユーモアにいつも笑わせてもらっていた。
ある日、新しい女性パート社員、由紀（仮名）が入社した。
彼女は美人で、初対面の健太に微笑みかけた。
美香は最初こそ彼女を歓迎したが、次第に由紀の存在が気になり始めた。
由紀は仕事ができるだけでなく、同僚たちに対しても優しく接するため、周囲の人気を一気に集めていった。
「ねえ、美香さん、最近由紀さんと仲良くなった？」
健太が冗談交じりに尋ねると、美香は少し不機嫌そうに答えた。
「ああ、まあね。でも、彼女はちょっと…」
その言葉を聞いた健太は、由紀のことを気にかけるようになった。
彼女の明るさや仕事ぶりに惹かれ、次第に美香との冗談も少なくなっていった。
ある日、由紀が美香に近づいてきた。
「美香さん、あなたの冗談って面白いですね。もっとみんなに伝えてあげたいな。」
その言葉に美香は驚いた。
彼女は自分のユーモアを評価されることに喜びを感じたが、同時に由紀の意図を疑い始めた。
「健太も由紀さんに夢中になってるみたいね。」
美香は同僚に愚痴った。
彼女は次第に由紀に対する嫉妬心を抱くようになり、健太との関係もぎくしゃくし始めた。
由紀は巧妙に美香を洗脳していった。
彼女は美香に「あなたはもっと自分を大切にするべき」と言い続け、次第に美香は自信を失っていった。
健太が由紀と楽しそうに話しているのを見て、美香は心の中で嫉妬と不安が渦巻く。
「ねえ、健太。最近、由紀さんとよく話してるけど、私のこと忘れちゃったの？」
美香が健太に問いかけると、健太は困惑した表情を浮かべた。
「そんなことないよ、美香さん。君の冗談は面白いし、いつも楽しみにしてるよ。」
しかし、美香はその言葉を信じられなかった。
由紀が自分の存在を脅かしていると感じ、彼女との関係を断ち切る決意を固めた。
ある日、美香は由紀に直談判することにした。
「あなた、私のことをどう思ってるの？」由紀は微笑みながら答えた。
「美香さんは素敵な人だけど、もっと自分を大切にした方がいいと思う。健太さんも、あなたのことをもっと見てあげるべきよ。」
その言葉に美香は心の中で激怒した。
「健太を奪われるなんて、絶対に許さない！」
彼女は由紀に対抗心を燃やし、健太に対しても冷たく接するようになった。
健太は困惑しながらも、美香の変化に気づいていた。
「美香さん、どうしたの？最近元気がないみたいだけど…」
美香は無言で健太を見つめ、心の中で葛藤していた。
ついに、健太と美香の関係は最悪の状態に陥った。
美香は由紀の影響を受け、健太に対して攻撃的になった。
「あなたは私を裏切ったのね！」と叫び、健太は驚愕した。
由紀はその様子を見て、ほくそ笑んでいた。
彼女は美香を完全に洗脳し、二人の関係を壊すことに成功したのだ。
美香は孤独に苛まれ、健太は由紀に心を奪われていった。
数ヶ月後、美香は会社を辞めることにした。
彼女は自分が何を失ったのかを理解することができなかった。
ただ、由紀の言葉が頭の中で響いていた。
「あなたはもっと自分を大切にするべき。」
健太は由紀と付き合うことになったが、彼女の本性を見抜くことができなかった。
由紀はいつも他人を操ることに楽しみを見出していた。
彼女は美香を排除したことで、自分の地位を確立したと感じていた。
しかし、健太は次第に由紀の本性に気づき始めた。
彼女の優しさは表面的なものであり、裏では他人を操ることに快感を覚えていた。
健太は彼女との関係に疑問を持ち始めたが、すでに手遅れだった。
美香は新しい道を歩むことにしたが、心の中には健太との思い出が残っていた。
彼女は自分が何を失ったのかを痛感し、由紀の洗脳から解放されることはなかった。